ずっと韓国語を勉強しているのに、TOPIK6級になかなか受からない…
いつか6級に挑戦してみたいけど、どうやって勉強すれば良いの?
韓国語を勉強している方ならいつかはTOPIK(韓国語能力試験)6級に合格してみたい!と思うのではないでしょうか。
しかしTOPIK6級にはかなりの韓国語力が求められるため、なかなか合格できず悩んでいる方も多いかもしれません。
そこで今回は、私が働きながらTOPIKを受験し、6級に一発合格できた時の勉強法と、実際に使った教材をまるっとご紹介します。
今ではリスニング・リーディングで満点を取れるまでになりました♪
試験だけではなく普段の韓国語学習にもきっと役立つと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
TOPIK(韓国語能力試験)とは?
TOPIK(한국어능력시험:韓国語能力試験)は、韓国政府が認定・実施する韓国語の検定試験です。
韓国語の普及や、留学・就職等への活用などを目的に、世界70カ国以上で実施され、日本では4月・7月・10月に受験することができます。
試験はTOPIKⅠ(初級:1・2級)とTOIPKⅡ(中級:3・4級、上級:5・6級)に分けて実施され、得点に応じて級が決まります。
TOPIKⅠは「듣기(聞き取り/リスニング)」と「읽기(読解/リーディング)」の2領域、TOPIKⅡは「쓰기(書き取り/作文/ライティング)」を加えた3領域の試験で構成されます。
日本でのみ行われる「ハングル検定」と異なり、設問がすべて韓国語であることもTOPIKの特徴です。(ハングル検定の場合、2級以上は設問が韓国語)
スコアは2年間有効ですよ!
TOPIK6級の難易度
TOPIK6級の合格基準は次の通りです。
・専門分野における研究や業務遂行に必要な言語(ハングル)機能を比較的正確に、流暢に使用でき、政治・経済・社会・文化などの全般的なテーマにおいて身近でないテーマに対しても不便なく使用できる。
・ネイティブ程度までではないが、自己表現を問題なく話すことができる。
引用:公益財団法人韓国教育財団
TOPIK6級のレベルは、ネイティブレベルには届かないものの、韓国語をある程度流暢に使用できるレベルであることが分かります。
下の表は、TOPIKの各級の合格点一覧です。
受験級 | TOPIKⅠ | TOPIKⅡ | ||||
等級 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 | 5級 | 6級 |
合格点 | 80点以上 | 140点以上 | 120点以上 | 150点以上 | 190点以上 | 230点以上 |
引用:公益財団法人韓国教育財団
TOPIK6級合格に必要な点数は「230点」。単純計算で3領域それぞれ「77点」取る必要があります。
しかし実際は作文の難易度が高く点数が低くなりがちなので、
- リスニング:86点
- 作文:60点
- リーディング:86点
ぐらいを目指す必要があります。
つまり、リスニング・リーディングはミスを各7問以内に抑える必要があるんです!
第83回のTOPIKⅡの平均点は以下の通りでした。
領域 | 受験者平均点(各100点満点) |
듣기(リスニング) | 59.89点 |
쓰기(作文) | 33.95点 |
읽기(リーディング) | 57.35点 |
平均点と比較しても、TOPIK6級の難易度はかなり高いということが分かります。
TOPIK6級合格者の実際のレベルは?
私がTOPIK6級に合格した時のレベルは、こんな感じでした。
- 韓国語のラジオの内容がほぼ理解できる
- ドラマのセリフが大体分かる(字幕なしは難しい)
- 韓国人の友達と会話が成り立つ(時々聞き取れない)
TOPIK6級に合格したからと言って、韓国語がペラペラ、またはビジネスレベルかというと、必ずしもそうではありません。
スピーキングの試験もありませんし、ビジネス用語などもほとんど出てこないんです。
また作文問題では、韓国語能力はもちろん論理的な文章力が問われるため、韓国語ネイティブでも満点を取れるわけではありません。
TOPIKは何より試験への「慣れ」がとても重要なのです。
このようにTOPIK6級は韓国語の使用能力を100%証明するものではありませんが、意思疎通に問題のない、高い韓国語レベルを有していると言えることは確かです。
6級でもレベルに幅があり、合格してからが本当の勉強と言えるでしょう!
TOPIK試験対策のスケジュール
会社員生活2年目でTOPIKを受験した私は、平日の夜・休日という限られた時間で試験対策をする必要がありました。
具体的には
- 平日夜:単語練習・模擬試験や過去問の復習
- 休日:模擬試験や過去問を解く
というようなスケジュールで少しずつ勉強を進めていきました。
模擬試験や過去問はリスニング・作文・リーディングで1セットですが、一気にやると身体に負担がかかるので、日や時間を分けて実施していました!
TOPIK6級合格のための具体的な勉強法
TOPIK6級合格のためには、リスニング・作文・リーディングそれぞれを高いレベルまで持って行く必要があります。
ここからは、私が実際にTOPIK6級に合格できた勉強法とそのコツを詳しく紹介していきます。
リスニング(聞き取り)
ラジオを聞く
TOPIK6級合格のためには、リスニングで7問しか間違えられません。
スピードも、ネイティブの発話に近い速さの音声を聞き取ることが求められます。
そこで私が、ネイティブの韓国語をとにかくたくさん聞こう!と思って行ったのが「韓国語のラジオ」を使った勉強法です。
移動時間などを利用して毎日聞きました!
ラジオ勉強法の最大のメリットは「ネイティブの話すスピードに慣れることができる」点です。
最初は話の半分ぐらいしか分からない状態でしたが、毎日続けることで9割ぐらいは理解できるようになりました。
毎日ラジオを聞いていると、試験のリスニング音声がとてもゆっくりに感じます!
シャドーイング・オーバーラッピング
リスニングの問題を解いた後に必ず行っていたのが「シャドーイング」です。
聞こえてきた音をすばやく発音することで、瞬間的に文の意味を理解する訓練になります。
理解していないと正しく発音できませんからね!
またもう一つおすすめなのが「オーバーラッピング」です。
オーバーラッピングとは、「スクリプトを見ながら、聞こえてくる音声と同じスピードで韓国語の文章を読み上げていく」トレーニングです。
メリットとしては
- リスニングのスピードに慣れる
- 韓国語を読むスピードが速くなる
といった点が挙げられます。
ネイティブが発音する速さで文を読まないといけないので、リーディングのスピードアップにもつながるんです!
シャドーイングは一般的ですが、オーバーラッピングはやっている人が少ないかもしれません。
TOPIK6級合格のためには、ぜひやっておきたい勉強法です。
作文(書き取り)
模範解答を徹底分析
作文には、ある程度書き方の型(パターン)があります。
なので、まずは模範解答を徹底的に読み込み、文章の構成を理解することが大切です。
パターンが分かったら、模範解答に出てきた表現を真似しながら、実際に文章を書く練習をします。
作文の文章構成のポイント
- 序論→本論→結論という構成を意識する
- 接続詞を上手く使用する:그러나(しかし)・반면(一方)・그러므로(それゆえ)・따라서(したがって)など
NAVERニュースを読む
作文問題には、社会問題や時事ネタが多く出題されます。
こうした話題を論じるには、社会・時事に関連する単語を知っておく必要があります。
その対策におすすめなのが「NAVERニュース」を読むことです。
NAVERニュースは、さまざまなメディア(新聞社)のニュース記事を集めたサイトで、どれも無料で読むことができます!
NAVERニュースを使うメリットは
- 1記事が長くなく、毎日でも読みやすい
- ニュース特有の表現が覚えられる:결과를 초래하다(結果を招く)・제도를 마련하다(制度を整える)など
日々ニュースに触れ、自分の意見を持っておくことで、本番も慌てることなく文章を組み立てることができるようになります。
リーディング(読解)
マイ単語帳作成
リスニングとは違い、文法問題や漢字語、慣用句も出題されるのがリーディング。
確実に点を取るために、模擬試験や過去問で分からなかった単語をまとめたマイ単語帳を作成し、こまめに復習することが重要です。
韓国語エッセイを読む
リーディングは、70分で50問を解かなければならないので、かなりのスピードで問題文を読み進めていく必要があります。
時間切れにならないためには、普段から韓国語を読む習慣をつけておくことが大切です。
そこでオススメなのが「韓国語エッセイ」を活用した勉強法です。
メリットとしては
- デザインが可愛い、内容が面白いため、楽しみながら勉強できる
- 普段から大量の韓国語を読むことで、リーディングの分量に抵抗がなくなる
- TOPIKⅡレベルに丁度良い難易度の語彙が使われている
などが挙げられます。
私はこのエッセイ勉強法を4年ほど続けているのですが、問題文を読むのがとても楽になり、試験時間も15~20分余るようになりました。
どうせやるなら楽しく勉強しちゃいましょう!
TOPIK6級合格におすすめの教材
単語集
TOPIKの上級に特化した単語集で、TOPIK5級・6級合格に必須の800語が収録されています。
単語はこれ一冊あれば十分だと思います。
今でも復習のために定期的に使っています!
- TOPIKの中でも5級・6級に特化しているため、必須単語を過不足なく学習できる
- 類義語・反義語も充実しており、セットで覚えられる
- 長文の例文が載っているため、文の中で単語がどのように使われるか学べる
予想問題(模擬試験)
TOPIK6級合格のためには、本番形式の問題をたくさん解いて、試験に慣れることが不可欠です。
3回分の模擬試験が収録されているのですが、私が実際に6級に合格した際は、この問題集を2周ぐらいしました。
他の問題集も試しましたが、この本はとてもバランスが取れていると思います!
- リスニング・作文・リーディングすべてこの一冊でカバーできる
- 全訳付きで、回答の根拠が載っているなど解説も分かりやすい
- リスニング音源が本番さながら(説明部分が読まれる・回答時間がきちんと取られている・読む速度が本番に近い)
- CDのトラックが細かく分かれていてシャドーイングなど復習がしやすい
作文対策
TOPIK作文で高得点を取るためには、書き方のパターンを理解し、論理的な文章を書く練習をする必要があります。
そこでおすすめなのがこの「韓国語能力試験TOPIK II 作文完全対策」です。
著者の前田さんは元国語教師で、生徒に作文指導をしていた経験をもとに韓国語作文の書き方のコツを紹介しています。
この本では、TOPIK作文攻略のコツとして
- まず日本語でしっかりとした意見文を書く
- 次に韓国語らしい表現を使って分かりやすい文章を書く
という2段階で作文能力を高める方法が解説されています。
原稿用紙の使い方や作文で必須の文中・文末表現などが載っていて、まさに作文対策のバイブルと言える本です!
- パート別に豊富な練習問題が載っている
- 書き言葉で使われる表現がまとめられている
- 原稿用紙の使い方(句読点、英数字など)がまとめられている
文法・会話表現
TOPIK対策本ではありませんが、リーディングに出てくる文法事項や文末表現が学べる一冊です。
例:~기 쉽다(~しやすい)・~는 척하다(~するふりをする)など
- TOPIKで頻出の文法・語尾・言い回しを184個収録
- さまざまな場面(知人同士・医者と患者など)を想定した例文が載っている
- 一つひとつの会話が短く聞きやすい
過去問題
過去問は書籍ではなく、ネット上で入手できます。
こちらのサイトでは、第64回までの過去問(リスニング音源あり)がダウンロードできます。
あまり古いものは作文の出題形式などが異なっているので、新しいものを中心に解いてみるのをおすすめします。
TOPIK試験を効率よく解くコツ
問題数が多く、回答時間が限られているTOPIKⅡは、時間との闘いと言っても過言ではありません。
集中してテンポよく問題を解いていくコツをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
リスニング
リスニング問題は、1時間で50問出題されます。問題文をどんどん先読みして、内容を把握しておくことが高得点のカギになります。
リスニングの注意ポイント
- 音声を聞く前に必ず選択肢を読んでおく
→音声を聞いてから選択肢を読んでいては、間に合いません。先に問題文を読んでおきましょう - 1~20問は1回しか読まれないため、特に注意して聞く
→音声を聞く前に選択肢を読み、注意して聞くべきポイントをチェックしておきましょう - 21~50問は2回ずつ読まれるので、1回目が読まれた時点で回答を終えてしまう
→少し上級になりますが、2回読まれる部分は1回目の音声を聞いて回答を終わらせてしまい、2回目を読んでいる時に次の問題を読んでしまうと良いです。
もし分からなくても2回目が聞けるという保険があるので気持ちに余裕ができますね!
作文
作文は50分で4問、そのうち200~300字を1問、600~700字を1問解かなければいけません。
原稿用紙2枚分以上ですね…
しかもペンで記入し、間違ったら修正テープで消して書き直さないといけないので、きちんと構成を決めてから一気に書く必要があります。
私が行っている時間配分は大体こんな感じです。
- 1問目(短文):3分
- 2問目(短文):3分
- 3問目(200~300字):構成 7分・回答作成 7分
- 4問目(600~700字):構成 10分・回答作成 20分
作文は日本語でも難しいです(笑)割り切って誤字脱字をチェックするなど時間を有効に使いましょう!
リーディング
リーディング問題は、70分で50問解かなければならないので、1問平均1.4分で解いていく必要があります。
最後の方は長文問題になるので、最初の簡単な問題は迷わずテンポよく解いていくことが求められます。
リーディングの注意ポイント
- 自信のない問題には印をつけておき、とにかく先に進む
→リーディングは本当に時間との闘いなので、とにかくどんどん問題を解いていきます。迷った問題は後から戻って解くこともできます - 選択肢を先に読む必要はない
→長文問題では、文章の要点をできるだけ早くつかむことが大切です。
文章を読んで内容が理解できていれば、その後で選択肢を読んでも、正しい答えを選択することは十分可能です。
私は先に選択肢を読んでも文章を読んでいるうちに忘れてしまいます…(笑)
時間節約のために、なるべく1回読んだだけで内容を理解し、答えを選べるようにすることが重要です。
まとめ
今回は、私がTOPIK6級に一発合格するために行った勉強法・実際に使った教材についてご紹介しました。
最後まで読んでいただきありがとうございます✨涙
試験対策も大事ですが、普段からどれだけ韓国語を聞き、読み書きしているかがとても重要だということがお分かりいただけたかと思います。
一番の目標は、本当に使える韓国語を身に付けることですよね!
TOPIK6級に合格することで、自分の韓国語力に自信がつきますし、何よりその過程で身に付いた勉強の習慣は一生ものです。
皆さんもぜひ、TOPIK6級合格に向けてトライしてみてくださいね^^
コメント