こんにちは、Ria(@riakoreangul)です。
今回は、글배우(クルベウ)さんのエッセイ「모든 날에 모든 순간에 위로를 보낸다(あらゆる日にあらゆる瞬間に慰めを送る)」についてご紹介します。
読者の悩みに寄り添い続けるエッセイストとして、日本でも高い人気を得ているクルベウさん。本作は2021年に韓国で出版され、ベストセラーとなりました。
タイトルにある「위로(慰め)」という言葉がこれ以上ないほどしっくりくる一冊で、心の痛みを癒してくれる、まさに処方箋のような作品です。
今回は本作の内容や感想とともに、疲れた心にスーッと染みわたる名言をご紹介します。
クルベウさんのプロフィールや他のエッセイについてはこちら▼▼
本の内容
この本は、クルベウさんが辛い時間を過ごす中で、自分に贈りたいと思った言葉をつづった作品だそうです。
目次
本の構成としては、大きく以下の3つのパートに分かれています。
- 용기를 보낸다(勇気を送る)
- 위로를 보낸다(慰めを送る)
- 온기를 보낸다(温もりを送る)
1章「용기를 보낸다」には、悩みながらも自分の道を進む人たちに勇気をくれる言葉が書き綴られています。
2章の「위로를 보낸다」には、良い人間関係を築くために重要なことや、不安が押し寄せる時、立ち止まって休むことの大切さが書かれています。
3章「온기를 보낸다」は、ありのままの自分を愛し、自分らしく歩きだすためにエールを送ってくれる、温かい言葉で溢れています。
本に対する印象
その頃の感情をリアルに思い出しながら執筆作業を行ったそうで、文章にもとても説得力があります。
うわべだけの言葉ではなく、本当に辛い時にかけてほしい言葉がつづられていて、ページをめくるたびに慰められている気分になります。
一人で悩みを抱えている時、壁にぶつかった時、何度でも読みたくなる作品です。
良い本には、まるで言葉が直接話しかけてくるかのような力強さや存在感がありますよね✨
また、クルベウさんはご自身について「깊이 생각하고 짧게 쓰는 것을 좋아한다(深く考え、短く書くことが好きだ)」とおっしゃっています。
その言葉通り、本作も思慮に富んだ言葉たちが短くも心に響く繊細な表現でつづられています。言葉の運びもリズミカルで、エッセイでありながら詩のような美しさも感じさせる作品となっています。
こんな人におすすめ
この作品は以下のような方におすすめです!
- 一人で困難に立ち向かっている人
- 辛くて心がくじけそうな人
- 誰かに慰めてほしい人
- 誰にも言えない心の痛みを抱えている人
疲れた心が癒される名言
ここからは、辛いときや疲れた時に聞きたい名言をご紹介します。この世界でたった一人苦しんでいるように感じる時でも、そっと心に寄り添ってくれる言葉たちです。
※日本語はすべて私が翻訳したものです。一部意訳しています。
生きてるだけで特別
매일 특별하지 않아도 돼
살아간다는 것 자체가 특별한 거니까
毎日が特別でなくてもいい。生きていくこと、それ自体が特別なことだから。
모든 날에 모든 순간에 위로를 보낸다:p.41
単調な日々を過ごしていると、平凡な毎日に嫌気がさしたり自分を嘆いたりしてしまいますよね。
そんな時に、この言葉は「生きているだけで特別な存在だ」ということを思い出させてくれます。
特にコロナ禍において、私たちは今まで当然だと思ってきたことが、何一つ当たり前ではなかったということを思い知らされました。
学校や会社に行くこと、友達に会うこと、ひいては家族に会うことすらどれほど貴重で幸せなことか、身に染みて感じた人も多いのではないでしょうか。
明日何が起こるか分からない人生において、自分が今生きているだけでも奇跡のようなことですよね。
人と比べて自分が劣っているなんて思う必要はなくて、生きているだけでみんな特別な存在。
そんな自分をいたわって、今の自分を作ってくれたすべてに感謝しながら生きていきたい。そう思わせてくれる言葉です。
何もしなくてもいい
너무 힘들 때 아무것도 안 한다는 것는
더 멀리 가기 위한 준비이고
완전히 길을 잃어버리지 않기 위한 시간이고
때론 높은 벽을 넘어야 할 때 필요한 기다림이에요
あまりに辛い時は、何もしなくていい。それは、より遠くを目指すための準備になるだろうし、道に迷って途方に暮れることもなくなるだろう。時には高い壁を乗り越えるためにじっと待つことも必要なんだ。
모든 날에 모든 순간에 위로를 보낸다:p.120-121
努力しても思い通りにいかなくて辛い時、焦ってから回りをして、余計に悪い結果になるということがありますよね。
仕事で大事なプレゼンの準備のために無理をして残業したら、体を壊して何日も休むことになってしまった…
試験前日になんとなく不安で夜遅くまで勉強したら、当日にコンディションが最悪で問題が解けなかった…などなど。
私も以前は、体調が悪くても無理をして勉強したりする方でしたが、それで物事が良い方向に行ったためしがありません!
コンディションが良くない時は、思い切って何もしないという選択も大事なんだなと改めて気づかされました。
ポイントは、罪悪感を感じる必要はないということ。
努力している人ほど、休むことに罪悪感を感じがちですが、毎日学校や会社に行ったり家事をするだけでも十分すごいことではないでしょうか。
また、できる人ほど「何もしない時間」を大切にしているそうです。心や体を休めることで、新たなアイデアが生まれたり、集中力を保つことができるのだそう。
「メリハリのある努力」ができるかどうかが、カギなのかもしれませんね。
常にフレッシュな状態でいるためにも、自分をいたわり賢く休む術を身に付けたいですね。
きっと、うまくいく
걱정하지 마세요
전부 잘될 겁니다
心配しないで。全部うまくいくはずだから。
모든 날에 모든 순간에 위로를 보낸다:p.180
時に、理由なく不安が押し寄せることがあります。
「みんな自分のことが嫌いなんじゃないか」「病気になるのではないか」など、何の根拠もないのに心配や不安が襲ってくるという経験がある方もいるのではないでしょうか。
常に不安な気落ちでいると、楽しめるものも楽しめなくなり、幸せを感じることが難しくなります。
私自身、繊細な気質なので、不安や心配に悩むことが少なくありません。
そんな時、この本を読んで「大丈夫だよ」と言われているような気がしました。
根拠はないですが、何だか心が軽くなりました
実際、心配事の9割は起こらないと言われています。起こるかも分からない未来のことを、わざわざ先回りして心配するよりも、「今ここ」に集中することが大切だと改めて思います。
変えられない過去や分からない未来ではなく、今がすべてで、与えられた時間を一生懸命生きていきたい、そう思わせてくれる名言でした。
頑張る自分をいたわる3つのポイント
この本を読んで、自分の心を守ってあげるために心に留めておきたいポイントをまとめてみました。
- この世に当たり前は一つもなく、何でもないように見える日常もかけがえのないものだということを胸に刻んで生きていく。
- 疲れたり上手くいかない時は、あえて何もしないことも大切。次のチャンスに向けて必要な時間だということを忘れない。
- 起こってもいないことに対して不安になったり心配したりする必要はない。心配することより、与えられた今に感謝し、幸せを見つけることに時間を使う。
まとめ
今回は、クルベウさんのエッセイ「모든 날에 모든 순간에 위로를 보낸다(あらゆる日にあらゆる瞬間に慰めを送る)」についてご紹介しました。
辛い時にそっと寄り添ってくれる、心の処方箋のようなエッセイです。
短い言葉の中にも、より豊かな人生を送るためのヒントがギュッと詰まっている本作。
落ち込んだ時、心にエネルギーが必要な時、ぜひこの本を読んでみてはいかがでしょうか^^
【著者名】글배우
【出版社】강한별
【出版日】2021/4/7
【おすすめ度】★★★★☆
【キーワード】癒される、心が軽くなる、感動的
【ページ数】260ページ
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