「눈치채다」「눈치가 빠르다」「눈치가 없다」など、韓国人同士の会話でやたらと登場するこの「눈치(ヌンチ)」というワード。
実は韓国人が社会生活をする上で欠かせない「能力」の一つで、「눈치」を使ったフレーズもたくさん存在します!
今回は、この「눈치」の意味や、動詞・形容詞と組み合わせたネイティブフレーズを一挙ご紹介します。
上手に使いこなせば、ネイティブの韓国語に近づけること間違いなしなので、ぜひチェックしてみてください!
韓国人の口癖?!「눈치」の意味とは
まず最初に、この「눈치」を辞書で調べると次のような意味が出てきます。
- 他の人の心を、その時々の状況に応じて推し量ること
- 心の中で思っていることが表に現れる、その態度
(参考:네이버 사전)
少し分かりにくいかもしれませんが、日本語ではいわゆる「勘、センス、機転(1の意味)」「雰囲気、空気、そぶり(2の意味)」といったニュアンスになります。
動詞や形容詞と組み合わせて「空気を読む」「目配せする」のような、絶妙な意味を表すことができます。
韓国人と「눈치」
韓国の人たちは、日常生活においてこの「눈치」を駆使することをとても重要視します。
それは、この「눈치」が韓国社会を生き抜き、円滑な人間関係を築いていく上で超重要なスキルだからです。
日本語でも「空気を読む」という言葉がよく使われますが、上下関係が特に厳しい韓国においては、「相手の気持ちや状況を読み取り適切な行動を取る」눈치력(ヌンチ力、ヌンチスキル)が問われるのです。
ちょっと大げさかもしれませんが、それぐらい重要なのです(笑)
「눈치」を使ったネイティブフレーズ
ここからは、「눈치」を動詞や形容詞と組み合わせたフレーズを例文とともにご紹介します。
超基本のフレーズからあまり知られていないものまでまとめました。
たくさん覚えて今日からヌンチ名人になっちゃいましょう!
눈치채다(눈치를 채다)
「눈치」を使った表現で最もよく聞くのが、この「눈치채다(눈치를 채다)」ではないでしょうか。
このフレーズは「状況から判断してその場の雰囲気や人の気持ちを察知する」ことを意味します。
日本語で簡単に言うと「気づく」という意味で使えます。
友達は私が太ったことにすぐ気づいた。
今回はダークブラウンに染めてみたんですが、気づきましたか?
눈치가 빠르다
「빠르다」は「早い」という意味の形容詞です。
눈치(状況を察知すること)が빠르다(素早い)=「空気が読める」「察しが良い」という意味になります。
友達は空気が読めて、雰囲気をつかむのが本当に上手い。
あんためっちゃ鋭いね!2人が社内恋愛してるってなんで分かったの?
눈치가 있다/눈치가 없다
「눈치」に「있다(ある)」または「없다(ない)」を組み合わせた表現です。
눈치(状況を察知する能力)があるかないかを表す言い方で、それぞれ
- 눈치가 있다…「空気が読める」「気が利く」「察しが良い」「勘が鋭い」
- 눈치가 없다…「空気が読めない」「気が利かない」「察しが悪い」「勘が鈍い」
といった意味になります。
相手を揶揄するような感じで「눈치가 없다」の方を使うことが多い印象です。
日本でもそうですが、ヌンチがないと韓国では批判の対象になります💦
私の彼氏はさぞ鈍感なようで(どれほど察しが悪いのか)、私が髪の毛を切ったことに全く気づかなかった。
눈치를 보다
「보다」は「見る」という意味なので、눈치を見る=「空気を読む」「顔色をうかがう」という意味になります。
人の顔色ばかりうかがってないで、やりたいようにやりなさい。
5歳の娘が他人の顔色ばかりうかがうので心配です。
눈치가 보이다
「보다(見る)」の被動詞(受身形)が「보이다(見える、見られる)」です。
눈치が見える、見てしまう、気になる=「顔色をうかがってしまう」「他人にどう思われるか気になる」という意味で使います。
上司の顔色をうかがってしまい、有休が取れない。
눈치를 주다
「주다」は「与える、あげる」という意味です。
눈치(心の中で思っていること、雰囲気)を相手に与える(伝える)という意味で「目配せする」「それとなく知らせる」「サインを出す」といったニュアンスで使います。
彼女が早く出ようとサインを送っている。
(食堂で)皿洗いをしているところを見るに、もう帰ってくれという雰囲気だ。
눈치를 챙기다
韓国語特有で色々な意味を持つのがこの「챙기다(欠かさず準備する、取りそろえる)」という単語です。
눈치と組み合わせて「空気を読む」という意味で最近使われるようになった言葉です。
韓国の人気キャラクターであるペンギンの펭수(ペンス)の名言「눈치 챙겨!(空気読んで!)」が有名です!
ちょっとあんた!空気読んで!
会社の後輩が全く空気を読まないので、少しは気を利かせてほしい…
-는 눈치다
ここまで「눈치+動詞/形容詞」の形のフレーズを紹介してきましたが、実は「動詞+눈치다」という形でも使うことができます。
この場合の눈치は雰囲気、感じという意味で使い、「~する雰囲気だ」という意味になります。
上司の雰囲気的に、俺ら残業っぽいよ。(上司が私たちに残業してほしい雰囲気だ)
社長は私をクビにする雰囲気だ。
눈치껏
「마음껏(思う存分)」「힘껏(精一杯)」という言葉にも使われている「-껏」は「~を尽くして」という意味です。
눈치に「-껏」をつけることで「空気をよく読んで」「顔色をうかがいながら」といった意味になります。
自分の눈치をフルに働かせて様子をうかがう感じですね!
正月に夫の実家に行ったが、空気を読んで家事を手伝った。
눈치 백단
백단は漢字で書くと「百段」です。
柔道などでも、段保有者はその道の名人ですが、눈치 백단も눈치(空気を読む能力)が百段ということで「ものすごく空気が読める」ことを意味します。
お前めっちゃ空気読めるな!
友達に全然空気が読めてないって言われた…私も空気読む達人になりたい!
눈치 싸움
「싸움」は「争い、けんか」という意味ですが、눈치と組み合わせることで「空気の読み合い」「探り合い」「互いに相手の出方をうかがっている状態」を表します。
これ、完全に空気の読み合いだよ。
願書受付を前に、学生たちの間で探り合いが始まった。
まとめ
今回は、韓国人の日常生活で欠かせないスキルである「눈치(ヌンチ)」を使ったさまざまな表現をご紹介しました。
ヌンチの能力を「段」に例えるなど、とてもユニークですよね!
それぞれの表現を上手く使いこなせば、ネイティブもアッと驚くこと間違いなしです。
絶妙なニュアンスで会話を盛り上げてくれる表現なので、ぜひ覚えて使ってみてはいかがでしょうか^^
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